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佐藤Mgのシリーズ!レイヤリング考察~寒冷(0℃~-5℃前後)な環境下でのハイパルスアクティビティ時のレイヤリング~

2016年 11月 14日

皆様こんにちは。

食欲の秋にかまけて予想以上にウエイトが上がってしいまいました山男ぶん改め、佐藤です。

体の脂肪の蓄えは必要以上に準備万端です!

ですが少々、太りすぎですので最近、糖質制限&朝のジョギングを開始いたしました!!

そこでっ!!!!

お客様より、いつも質問の非常に多い「寒冷時のレイヤリング」について述べてみたいと思います。

夏と違い冬の場合(特に旭川はしばれます!)は保温をしっかりとしながらも体温の上昇にあった、汗の処理を有効にできるレイヤリングをまず考えなければいけないので温度の調整が難しくなります。

特にバックカントリーの上りやジョギングなどの心拍数の高いハイパルスアクティビティ時には一気に体温は上昇します。

最初は凍えるぐらいに寒くても5分前後で発汗が始まり、10分後には着こんでいると熱くなってしまいます。

それが150bpm(ゆっくりとしたジョギング程度の心拍数)位の運動では短時間で一気に発汗し熱くなります。

ただアウターを脱ぐと外は氷点下、当然寒いです。

なので、丁度いー加減が大事です。

レイヤリングの基本はベースレイヤー(肌着)、ミッドレイヤー(中間着)、アウター(シェル)の3層の重ね着(レイヤリング)が有効で温度調整をすることはご存知の方も多いかと思います。(時として4層、5層もあります)

そこでそれぞれの役割が下記となります。

・ベースレイヤー:肌面の汗の吸着、拡散と保温 

・ミッドレイヤー:ベースレイヤーで吸着した汗の拡散(液体→気体)と保温 フリースとダウンがあります。

・シェル:暴風、防水と保温 (ハードシェル、ソフトシェル、ウインドシェル)

そして、それぞれにウエイト(薄手ライトウェイト、中厚手ミッドウェイト、厚手へビーウエイト)と呼ばれる厚みの違いがあります。これらを組み合わせて温度調整を行います。

また、防風、防水を目的とするアウターシェルの種類や特性です。

・ハードシェル(完全防水、防風であるが透湿性は他に比べると劣る)雨は得意 厚手

GORETEXやその他、メーカー独自の防水透湿素材(メンブレンと呼ばれるフィルムが外皮、裏地の間にはさんである)

・ソフトシェル(防風、撥水であるが完全防水ではない、小雨、雪はOK、透湿は得意で抜けが良い) 薄手、厚手、内側にフリース生地を貼ったハードフリース等厚みのレンジが広い

・ウインドシェル(防風、撥水、透湿性能はハードシェルと、ソフトシェルの中間) 薄手

色々と書きましたがまとめると

ベースレイヤーのウェイト、ミッドレイヤーのウエイト、シェルの選択の組み合わせでレイヤリングを行い温度調整します。

そこで本題の寒冷時のレイヤリングとなるのですが今朝の気温は-3℃位でした。

なかなか寒いですが私のレイヤリングは下記の通りでちょうどいい感じす。

ベース:薄手ライトウェイト(ibex woolies1 150gライトウェイト使用)

Dsc01918 Dsc01916

ミッドレイヤー:薄手ライトウェイト(ARCTERYX DELTA LT JACKET フリースポーラテックマイクロ100)

Dsc01921 Dsc01920

シェル:ウインドシェル(ARCTERYX SQUAMISH HOODYウインドシェル)

写真 2016 11 14 13 22 12 写真 2016 11 14 13 22 19

ここで一番重要となるのは体温上昇の激しいアクティビティではあまり厚着をしないという所です。

厚着をして発汗量が多すぎると拡散のスピードが発汗においつかずに液体の汗をベースレイヤーとミッドレイヤーで気体に拡散できずウェア内に汗として残り、アウターシェルを透過できない原因となり、結果、ウェア内が濡れます。(GORETEX、ソフトシェル、ウインドシェルいずれも液体の汗は透過しません。)

なので運動量が多い時はなるべく薄着のレイヤリングが良いと思います。

逆に運動量が少なく心拍数もあまり上がらない運動の場合は厚着の必要性があります。

その場合はまずベースレイヤーの厚さを上げていきます。

ライトウェイト薄手→ミッドウエイト中厚手という具合です。

これで約5℃位の気温の低下に対応が可能です。

また、保温の温度幅をさらに細かく調整したい場合はライトウェイト→ミッドウェイトと厚さを急に一段階、上げる前にベースレイヤー(ライトウェイト薄手)にTシャツのベースレイヤーを上に重ね着することでミッドウェイト(中厚)に移行するよりもすこしだけ保温力が下がったレイヤリングが可能となります。※ベースレイヤーを2枚にすることで効率よく気体に拡散できるため拡散力もアップします。当然保温力も上がります。

ベースは細かく言うと化繊とウール、混毛のハイブリットの3種類があります。

特徴としては

化繊:速乾性に優れておりダメージに強い

ウール:保温性に優れており、濡れても保温力が落ちにくい、ダメージに弱い。抗菌作用が強い等

混毛:両方の良いところどりしたもの

冬はやはり保温性能が重要になりますので迷わず濡れても保温力が落ちにくいウールを選ぶ方が最近では多いです。

特に汗をたくさんかくハイパルスアクティビティに向いてます。

また肌面の汗を素早く吸い上げミッドレイヤーへ拡散するのもベースレイヤーの役割ですのでその点でもウールは優れた拡散機能を持っているのでなお、おすすめです。(若干高額ですがw)

そして大事なのがサイジングです。

ベース、ミッドレイヤー共にですがなるべくぴったりとしたサイズを選ぶことで吸水力、保温力はかなりちがってきます。ベースは隙間なく体全体にフィットしている事、また、ミッドレイヤーとベースレイヤーもぴったりとなるべく、くっつく位のサイジングが理想です。

また、ミッドレイヤーとアウターシェルの隙間が大きすぎるとせっかくミッドレイヤーで気体に拡散しても冷やされてしまいアウターシェル内側に液体として再度付着してしまい蒸れ、濡れの原因となります。

なのでベース、ミッドレイヤー、アウターシェルの3つの隙間は窮屈にならない程度にジャストサイズで合わせる事が理想です。

そのアウトドアブランドでも近年サイズが小さいのはそういったレイヤリング提案の為です。

さらに保温をしたい場合は今度はアウターシェルをウインドシェル→ソフトシェルへ変更します。

さらに保温をしたい場合はGORETEX等のハードシェルへアウターシェルを変更します。

ミッドレイヤーは?

と聞こえてきそうですが基本ミッドウェイト以上のフリースは保温力が高い為、心拍数が150pbm(ハイパルスアクティビティ)には暖かすぎてオーバースペックとなり発汗過多となりがちで蒸れの原因となります。

蒸れると濡れ急激に体温を奪います。

なのでフリースは基本的に拡散ができていれば十分で保温力もる程度のライトウェイトがおすすめです。

またフリースを選ぶ時もグリッドと呼ばれる表面や側に四角くブロック状に加工してあるものは汗の処理が得意で拡散機能が高く素早く液体の汗を処理できますのでおすすめです。

だいたいはポーラーテックを使用してますので薄手のクラッシックマイクロ100、200とタグがついているものがあれば薄くてもそれで充分です。

ミッドレイヤーなしの2レイヤーの場合はベースレイヤーだけでは拡散力が低下する為、アウターシェルはGORETEXはなるべく避け透湿力と若干の拡散力をもちミッドレイヤーも兼務できるライトウェイト薄手のソフトシェルが透湿性が高く向いています。

2レイヤーの場合はベースレイヤーもなるべく長袖、半袖の重ね着で拡散効果を上げるレイヤリングおすすめです。

ベースレイヤー、ミッドレイヤーで効率よく汗が液体→気体に拡散されているとアウターシェルの素材を通過しやすくなるため、結果蒸れずにウェア内をドライに保てます。

運動量と発汗量、拡散のバランスがうまくとれている場合、不思議とベースレイヤー、ミッドレイヤーは濡れておらず、アウターシェルの表面が濡れてきます。(氷点下でも体温があるので氷つかない、厚手のシェルでかなり気温が低い場合凍ることもありますね。バリバリっとww)

これは上手く、ウェア内で吸着、拡散、透湿のバランスが取れている証拠でもあり、アウターシェルを透過した気体の水蒸気が外の冷気で再度液体に戻ったものなのですでにウェア内の水分は外に排出されているということです。

いい感じのレイヤリングができてます!

ポイントは発汗量に見合った重ね着をする事と温度調整の7割はベースだけで調整を行い(選択枝として厚手のヘビーウエイトもあります)必要に合わせてアウターを薄手のウインドシェル→ソフトシェル→ハードシェルと気温に合わせて選ぶことですね。

夏場の登山等も同じ原理でレイヤリングすると標高をぐっと上げる上りの時、寒冷、強風の事が多い稜線沿い、

下りの時等にぴったりとあったレイヤリングが可能となりますので是非いろいろと試してみていただきただいですね。

シリーズと題してますので今後はもっと深く、ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターシェルのお話をできればと思います。

ジョギングされる方は凍結で滑りやすくなっておりますので怪我等せずにお気をつけてください。

それではまた!!!

iGATE IKEUCHI daisetsu

佐藤


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